2008年07月24日

頭を使えば防げた、岩手朝日テレビの大誤報

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 ブログ再開早々、1か月以上も穴を開けてしまいました。すみません。
 書きたい事は沢山あるんですけどね…。PC向けページの上の方に「5日程度ごとに新記事を追加していく予定」と書いてある様に見えるのは幻なんじゃないかと、私自身が思ってしまう今日この頃…。
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 つい1か月ちょっと前に激しい地震に見舞われたばかりの岩手県が、再び震度6強の揺れに襲われました。
 先月の「宮城・岩手内陸地震」で震度6強を観測した奥州市は、岩手県の南西の端。今回の地震で震度6強を観測した洋野町は、北東の端。同じ岩手県とはいえ、北海道に次いで面積の広い都道府県だけに、両地点はかなり離れているのですが、それでも先月の地震で被害を受けた地域で、今回再び被害を被った地域があるとの事。気の毒というほかありません。月並みな言葉ですが、お見舞いを申し上げます。
 私が住む東京都足立区で観測された震度は2だったのですが、私の家がある場所は地盤が悪いせいか、震度3程度の揺れに感じられました。
 小さな横揺れが始まってから、揺れが大きくなるまでの時間がかなり長く、ちょっと特異な地震という感じがしました。報道によれば、震源地付近でも、揺れ始めてから激しい揺れになるまでの時間がかなり長かった様です。


 さて、午前0時半少し前に地震が発生してからしばらく、テレビで地震情報を見ていたのですが、1時間程が経過した1時半頃、テレビ朝日で、こんな情報が流されました。
 系列局・岩手朝日テレビの報道スタジオのアナウンサーが、「今入った情報」として、
「洋野町では、二十数名の重傷者が出ており、400棟の家屋が倒壊しているとの事です」
と言ったのです。しばらくして、「これは国から県に伝えられた情報という事です」とも付け加えられました。

 私はこれを聞いて咄嗟(とっさ)に「おかしい」と思いました。

(1) 負傷者の情報というのは普通、○○歳の男性(女性)がこういう怪我をして○○病院に運ばれている…などといった断片的な情報や、単に「怪我人が出ている」といった曖昧な情報から始まり、徐々に積み重なって「負傷者○○人、うち重傷○○人」という情報にまとまっていくものなのに、いきなり「重傷者二十数人」という情報が飛び込んでくる事があり得るのか?

(2) 洋野町は三陸海岸の北端に近い町、その中でも震度6強を記録した大野地区は更に内陸に入った所にあって、御世辞にも拓けているとは考えにくい場所です。ただでさえ深夜の災害は状況の把握が難しく、開発の進んでいない地域ならば尚更のはずなのに、地震発生から僅か1時間で「400棟倒壊」などと、どうして分かったのか?

(3) そもそも、地震の様な局所的な災害では、市町村単位の被害状況の報告は市町村から都道府県や国へと上げられていくもののはずなのに、特定の町の被害情報が国から県に下りてくるなどという事があり得るのか?

 何かを間違えているのではないか…と思っていたら、やがて「確認は取れていない情報」と言い出し、約10分後には、これは国が行ったシミュレーションの結果を県に伝えたに過ぎないものだった事が明らかになりました。訂正を受けて、東京(テレ朝)のアナウンサーは「大変失礼致しました…」と恐縮しきりの様子でした。


 テレ朝系列で最も若い局である岩手朝日テレビは、平成8年の開局だそうです。この局に限らず、平成になってから開局した民放テレビ局は「平成新局」と呼ばれ、経済規模の小さい県に多い事もあって、一般に資金力・制作力に劣ると言われています。
 テレ朝系は、他の系列に比べて「平成新局」が多いですし、テレ朝自体も制作力が低いと言われた時期が長かった(大阪の系列局・朝日放送の方が上とされていた)事もあって、「平成新局」を育成する態勢にも、問題が多いのではないかと思われます。
 それだけに、この誤報は如何にもテレ朝系らしい失敗という印象も受けたのですが、事が災害報道、それも流言飛語が飛び交いがちな地震に関する発生直後の報道だけに、これはかなり深刻な失態ではないかと思うのです。洋野町という、準過疎地に指定されている様な小さな町に関する“情報”だったから、事なきを得ただけなのかもしれません。いや、実際にこの誤った情報を耳にして、動転してしまった洋野町民がいたとしても、何の不思議もありません。テレ朝のアナウンサーのコメントではありませんが、本当に「失礼」な話です。

 大きな災害や事故が発生した時には、様々な情報が錯綜するものです。“もっともらしい顔”をした嘘も、沢山流れて来る事でしょう。緊急事態の中で、それを瞬時に見極めなければならないマスコミの担当者も、所詮は人の子です。ですから、流した情報が結果的に誤報だったとしても、それだけで必ずしも責められるべきものではないとは思います。
 しかし今回の情報は、ちょっと考えただけでも不自然な部分が多過ぎる情報、いわば、いかにも“嘘つきの顔”をした嘘です。そんな情報まで無分別に垂れ流してしまう様では、報道機関としての機能を果たせていないと言わなければなりません。
 これは制作能力云々以前の、マスコミとしての資質の問題です。岩手朝日テレビ及びテレビ朝日には、間違っても「誤った情報を10分で撤回出来た」などと胸を撫で下ろす事なく、しっかりとした反省と検証を行い、改善策を講じてもらいたいものです。

(07-25 01:04)
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